からだのひとつひとつをほどく
骨と筋肉、皮膚と臓器
細胞と細胞のあいだ
”あいだ”には美しい水が流れる。
水は滾々と湧き上がる。
からだは美しい水が入った
宇宙のようなもの。
あいだにひっついた
からだを不自由にさせる
「ことば」をひろっていく。
その中にちいさなちいさな
からだのことばが埋もれている。
「動かさないでほしいの」
しばらく、その「ことば」の横に座る。
滔々と流れはじめる
美しい水。
水が全身をめぐり始める。
洗われた「ことば」を
そっとひろう。
もとがなんだったのか。
いまとなってはもうわからない。
伝えることができなかったことばは
海辺で拾うシーグラスのように
寄せる”波”に洗われる。
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